島根県 大田市大森町 大森さくら保育園
3歳
1週間
私たちは神奈川県に暮らす3人家族です。2026年1月、島根県大田市にある「大森さくら保育園」に息子と母の2人で訪れました。
保育園留学を初めて知ったのは、「こどもに自然の中で過ごす体験をさせたい」と思い、何かいい機会がないか探していたときでした。
初めて知った瞬間、「こんなに素敵な経験ができるんだ」と心が動き、すぐに参加してみたいと思いました。
一方で、参加するとなると母子ふたりでの滞在になるため、車がなくても不便なく過ごせるのか、食事はどうしようかなどの不安もありましたし、こどもが体調を崩さないか、初めての環境で楽しめるのかという気持ちもありました。
それでも、とにかくのびのびと、何も制限せず自然を感じて過ごしてほしい。そして新しい環境に飛び込むことで、自分が住んでいる場所だけではない、いろんな世界があることを感じてほしいという思いが強くなり、参加を決意しました。

今回、留学先に大田市を選んだのは、親ひとり・こどもひとりで車がなくても過ごしやすい環境だったこと、そして世界遺産の町に滞在できることに魅力を感じたからです。加えて、地域に暮らす方との距離が近そうなこと、そして「こども主体」の保育を大切にしている園の環境に惹かれました。
神奈川からの参加だったため羽田空港から出雲空港まで飛行機で向かい、その後は送迎サービスを利用して、親子ふたりでの保育園留学がスタートしました。

初めて園に向かうまでは「保育園留学いこう!」と自分で準備をし、園までの道も手をつないでスムーズに歩いていた息子でしたが、いざ敷地に入ると園舎に入りたがらず、どうしたものか…と少し焦る気持ちもありました。
そんな私の気持ちとは裏腹に、先生方は無理に促すことなく、息子が自分で入りたいと思うまで待ってくださって。そして本来予定していたクラスではなく、本人が「こっちがいい」と選んだ0〜2歳児クラスで受け入れてくださいました。どこまでもこどもの選択を尊重してくださる姿勢に、最初から大きな安心感をもらいました。
その日の夜、晩ご飯を食べながら息子がぽつりと「今日の保育園留学楽しかったな〜」と話してくれて。その一言で胸がいっぱいになり、不安が一気に吹き飛んだことを今でも覚えています。

室内にはトランポリンや平均台、ステップ石、天井から吊るされたブランコ、忍者屋敷や工作コーナー、こどもたちが作った衣裳部屋など楽しい仕掛けがたくさんあり、室内でも思いきり身体を動かして遊べる環境でした。


毎朝、先生がコミュニケーションとケガ防止のために一人ひとりにストレッチとマッサージをしてくれると聞いたときは本当に驚きました。こどもたちは自分でタオルを持ってきて順番を待ち、先生にごろんと身をゆだねていて、その姿から先生への深い信頼が伝わってきました。続くリズム体操では、動物の動きを真似しながら30分ほどしっかり身体を動かし、大人でも難しそうな動きを当たり前のようにこなしている姿に感心しました。
外遊びもとても印象的でした。先生にお話を聞くと、雨の日でもこどもたちが行きたいと言えばレインコートを着てお散歩へ出かけ水たまりを思う存分楽しんだり、天気が良ければ山の方や小学校へ遊びに行ったり、近所のにわとりとのふれあいやミミズを探して餌をあげたりなど、気候に関係なく外遊びを楽しんでいるようです。
今回私達が参加した週には雪が降り、そのおかげで楽しめた雪遊びでは、雪の中で工事現場ごっこに夢中になったり、雪の日に収穫した大根を使って翌日クッキングでお味噌汁を作ったりなど、初めての経験の連続にとても嬉しそうでした。


大森さくら保育園には、給食参観というものがあります。給食参観とは、滞在中に一度参加できる、親もこどもたちと一緒に園の給食をいただける機会です。私も参加させてもらい、島根のお米や野菜を使った給食をみんなで美味しくいただき、年齢に関わらずこどもたちが自分で配膳する姿に感動しました。園での子どもの様子、出会って数日のお友達と楽しく机を囲んで給食を食べている姿を見ることができたのもとてもいい機会でした。また毎日の「こども会議」では、明日はどんな活動をしたいか、これが嬉しかった、嫌だった、などその日の気持ちをこどもたち同士で話し合い、素直な気持ちを言葉にして共有していると聞き、心の育ちをとても大切にしている園だと感じました。

毎日の様子はLINEで写真や動画とともに送ってくださり、お友達との関わりなども知ることができ、連絡が届くのを毎日楽しみにしていました。
最終日、息子が先生に「なんで最後なんだー!」と叫んだ姿を見たとき、これほど楽しかったんだなと胸が熱くなりました。帰宅後も、先生方が作ってくださった写真入りの保育園留学証を眺めては嬉しそうにしていて、参加できなかったパパにもお友達の名前を教えながら「〇〇したんだよ」と楽しそうに話している姿を見て、息子にとってもいい体験になったのだと実感しました。
今回は、一棟貸しタイプの「伊藤家ツイン」にお世話になりました。宿は寒さを心配していましたが、エアコンや加湿器のおかげで室内はとても快適でした。
宿を運営されている群言堂の方々はとても温かく、何かあればすぐに対応してくださり、終始安心して過ごすことができました。備品もこだわりを感じるお箸や食器、マグ、素敵な香りのハンドソープなど、暮らしを豊かにしてくれるものが揃っていて、細やかな心配りを感じました。
群言堂のスタッフのお子さまも大森さくら保育園に通っていて、送迎の際などにお話しする機会も多く、地域のつながりを感じられたことも安心して生活できたポイントだったと思います。

滞在中の食事は7割ほど自炊をして過ごしました。キッチン用品も一式だけでなく、アルミホイルやポリ袋、ペーパータオルなども揃っており、自宅と変わらない感覚で料理ができました。調味料だけは衛生面の観点から置かれていないと伺っており、家から持参したため、不便を感じることはありませんでした。
Wi-Fi環境も問題なく、仕事も普段通り行うことができました。私は利用しませんでしたが、希望すればモニターのレンタルもできるとのことで、その点も安心だと感じました。
宿にはテレビがなく、テレビのない生活は最初こそ少し不安もありましたが、息子は普段より早い19時半には自ら「ベッドに行く」と言うようになり、自然と早寝早起きの生活に。デジタルから離れてゆったりと過ごせて、息子と向き合う時間が増えたことも、この滞在の大きな収穫だったと感じています。
滞在を通して、この町は本当に子育てにやさしい場所だと感じました。地域の方々が「いいところでしょ」と自然に話される姿から、この町での暮らしに誇りを持っていることが伝わってきて、なんだかこちらまで嬉しい気持ちになりました。
夜には驚くほど星がきれいで、街灯を少し暗くして月明かりを楽しめるようにしていると聞き、自然を大切にする想いに感動しました。静かな夜空を見上げながら、こんな環境でこどもが育つことの豊かさをしみじみ感じました。
登園途中にはお店の方に声をかけてもらったり、宿の前の川で水の流れを眺めたり虫を探したりと、何気ない日常の時間がとても豊かで、心に残る時間になりました。
家から徒歩1分もかからない場所には、手づくりのお惣菜が並ぶ中田商店さんがあり、滞在中はよく立ち寄っていました。息子にも優しく話しかけてくれ、お総菜はどれも美味しくて、自炊をしながらも地域の味を気軽に楽しめたのもとても良い思い出です。


一週間の滞在でこの地域の魅力にどっぷり浸かり、また必ず戻ってきたいと思える場所になりました。
新しい環境でも楽しめる息子の姿に、もっと任せて信頼していいんだと気づけたこと、そして普段住んでいる場所だけではなく日本のいろんな場所にお友達ができることの素晴らしさを実感しました。
こども主体の保育に触れたことで、これからの子育てで大切にしたいことがより明確になり、親子にとって忘れられない時間となりました。
また先生方やお友達、地域のみなさんに会いに戻りたいと思っています。
「中田商店」
・手づくりのごまどうふがおすすめ
・お惣菜は500円ほどのものが多くお手頃で美味しい
「ゆずりは」
・町で唯一、夕食がとれる中華のお店
・宿泊施設ですが、タイミングが合えば夕食のみの利用も可能
「cafe住留」
・ランチが食べられるお店
・ピザのテイクアウトが可能
・ハヤシライスが美味しい
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