触れなかったカエルを3匹も!こどもの世界が広がった夏

岩手県西和賀町 せんだん保育所

5歳、1歳

1週間

私たちは、神奈川県に住む4人家族です。今回は、岩手県西和賀町の「西和賀町立せんだん保育所」で2回目の保育園留学を体験しました。

参加のきっかけ

保育園留学を初めて知ったのは、2021年のことでした。SNSで見かけ、「そんなサービスがあるんだ!いつか行きたい」と思ったものの、当時は参加まで2年ほど待つ必要があり、その2年がとても遠く感じて申し込みには至りませんでした。それでも、こどもには普段の生活ではできないさまざまな体験をさせてあげたいという思いがあり、保育園留学のことはずっと頭の片隅にありました。

そして2025年12月、ふと思い出してホームページを見てみると、厚沢部町で2か月後に空いている枠がひとつ。「これを逃したらきっと後悔する」と思い、夫に相談して申し込みました。

初めての保育園留学は、2026年2月に北海道厚沢部町へ。雪があまり降らない地域に住んでいるため、こどもに思い切り雪遊びをさせてあげたいと思ったことがきっかけでした。

そして今回は2回目。夏は遊具が触れないほど暑く、日中は屋内で過ごすことが多いため、今度は「涼しい場所で思い切り外遊びをさせたい」と考えました。自家用車で行ける涼しい地域をプランナーさんに相談したところ、西和賀町のせんだん保育所を紹介していただきました。

せんだん保育所での遊びや、そこで暮らすこどもたちの生活に触れながら、西和賀町の暮らしや自然を楽しみ、先生やお友達、地域の方々との交流を通して、普段の生活ではできない経験をしてほしい。そして、家族みんなにとって宝物のような思い出をつくりたい。そんな思いを胸に、自家用車で西和賀町へ向かいました。

初日の様子

初日は下のこどもが午前中のみの慣らし保育で、私も一緒に過ごす予定でした。少し緊張している様子もありましたが、上のこどもは到着するとすぐに遊び始め、その隣で下のこどもも一緒に遊び始めました。

先生から「カエルとバッタがいるよ~」と教えてもらい、外の流しを見てみると、2cmほどの小さなカエルが。すると上のこどもが「岩手スゲー!」とひと言。初めての場所に来たばかりなのに、目の前の自然に興味津々でした。

登園から30分ほどすると、「落ち着いているので、一度帰宅して大丈夫ですよ」と声をかけていただき、ほっとしたのを覚えています。

保育園のこと

せんだん保育所では、水遊びをしたり、虫やカエルを捕まえたりと、夏ならではの遊びをたっぷり楽しんでいました。

なかでも印象に残っているのが、上のこどもの変化です。

西和賀町に来る前は、カエルやバッタを捕まえることもできなかったのですが、2日目のお迎えのときには、園庭から「ママ~!」と呼ぶ声が。振り返ると、お友達と遊んでいた上のこどもが「おかえり~!」と言いながら近づいてきました。

手には何かを持っています。「何を持っているの?」と聞くと、「カエル!たくさんいるよ!」。

手を開くと、1~2cmほどの小さなカエルが3匹、くっつき合って座っていました。

ダンゴムシにも触れなかったこどもが、カエルを3匹も!少し誇らしそうに笑う姿を見て、たった数日の間にも、こんな変化があるんだと嬉しくなりました。少し顔つきもしっかりして、お兄さんになったように感じた瞬間です。

年長クラスだった上のこどもは、プールに泳ぎに行ったり、高校生のお兄さんお姉さんのブラスバンドを聴きに行ったり、野菜を収穫したりと、たくさんの経験をさせてもらいました。

毎日の活動は、保育所の先生方が作ってくださった「しおり」に写真とコメントで記録されていました。何をして過ごしたのかがよく分かり、帰宅してから読むのも楽しみのひとつに。今では私の大切な宝物です。

最終日には、保育所の畑で収穫したじゃがいもや野菜を使って、みんなでカレー作り。お別れ会には親も招待していただき、みんなでおいしいカレーをいただきました。最後まで地域の暮らしとつながるような時間を過ごせたことが、とても嬉しかったです。

宿のこと

滞在中は、一棟貸しの宿「&Ryu」にお世話になりました。

広いキッチンとリビングがあり、こどもたちも家の中でのびのびと過ごせました。保育所の先生方がおもちゃや絵本も用意してくださっていたので、帰宅後も楽しく遊ぶことができました。

4口コンロのあるキッチンはとても使いやすく、平日は朝食や夕食を中心に自炊。保育所の菜園で採れたミニトマトやナス、キュウリをいただいたり、山菜おこわの料理教室で教えていただいたミズを浅漬けにしたりと、食卓でも西和賀町の恵みを楽しみました。

また、夫婦それぞれが仕事をできるスペースもあり、持参したモニターを使ってオンライン会議をすることもできました。涼しかったので窓を少し開けていると、虫の声が心地よいBGMのように聞こえてきて、自然を感じながら仕事ができたのも印象に残っています。

宿のオーナーさんもとても親切で、滞在前から「西和賀で何をしたいですか?」と聞いてくださり、料理を教えてくださる方や自然に詳しい方など、地域の方を紹介してくださいました。

庭のピザ窯では、こどもたちが好きな具材を自分でトッピングしてピザを焼き、花火も楽しみました。夫が「カブトムシやクワガタを捕りたい」と話したことから、自然に詳しい方を紹介していただくことも。宿での暮らしをきっかけに地域の方とのつながりが生まれ、それがまた滞在中の楽しみへとつながっていきました。

地域のこと

登園後や週末は、川遊びや公園での虫捕り、牧場見学など、家族で自然の中に出かける時間をたっぷり楽しみました。

滞在中には、地域の木工や陶芸などの作家さんによる展示会にも足を運びました。そこで保育園留学で滞在していることを話すと、「あ~、あそこに泊まってるのね!」と、宿のことまでご存じだったことにびっくり。宿のオーナーさんに話すと、「ここらへんは、くしゃみをしただけで噂になるんだよ!」と笑っていました。地域の中で人と人との距離が近く、温かいつながりを感じる出来事でした。

西和賀町には信号が中心地に少しあるくらいで、町を出ると田んぼや豊かな自然が広がっています。ふと建物を見ると牛と目が合うこともあり、車を走らせているだけでも、普段の暮らしとは違う景色に出会えました。

食も西和賀町ならではの楽しみのひとつ。週末には十割そばや、わらびが入った天ぷら、ジェラートなどを味わいました。お寿司屋さんの「和賀の四季」では、家族みんなでたくさんおかわり。1歳のこどもがいくらを6貫も食べている姿には、思わず笑ってしまいました。

また、こどもたちが保育所で過ごしている間には、夫婦で半日仕事を休んで「砂ゆっこ」という砂のお風呂に入ったり、錦秋湖を眺められるカフェで一息ついたり。普段はなかなかつくれない夫婦ふたりの時間を持てたことも、今回の滞在の大切な思い出になりました。

さいごに

今回の保育園留学では、自然の中で遊ぶ楽しさだけでなく、地域の方との出会いや、保育所での新しいお友達との時間など、普段の生活ではなかなかできない経験をたくさんさせてもらいました。

特に、カエルを手にしたこどもの誇らしそうな表情は、帰宅した今でも印象に残っています。家族みんなで同じ場所に滞在し、その土地で暮らすように過ごした1週間は、家族みんなが自然と人の温かさに出会えた時間でした。

私たちはすっかり西和賀町のファンになりました。

春には、雪解けの時期にしか見られない水没森や花を見に、また訪れたいと思っています。

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