岩手県西和賀町 せんだん保育所
6歳、3歳
1週間
私たちは埼玉県に住む4人家族です。家族にとって2回目となる保育園留学を和賀郡西和賀町にある「西和賀町立せんだん保育所」で体験してきました。
もともと旅行が好きで、こどもを産む前は「いつか違う土地に住んでみたい」と思っていました。
そんな中、海外親子留学を考えていた時に見つけたのが「保育園留学」です。特に下のこどもがまだ小さく、1人で海外へ連れて行くことに迷いがあった中で、「これなら家族でできそう!」と、初めて知ったときから「行ってみたい!!」という気持ちになりました。
育児に追われる中で、いつの間にか旅行の魅力さえ忘れていた私にとって、保育園留学の記事を見る時間は、旅行が好きだった頃の気持ちを思い出すきっかけにもなりました。
前回体験した福島県鮫川村とは違う季節に、そして今回はもう少し遠くへ行ってみたい。さらに、自然がたくさんあり、地域の方とも触れ合えて、こどもたちが保育園で思い切り遊べる場所がいい。そこでプランナーさんに相談して紹介していただいたのが、岩手県西和賀町のせんだん保育所でした。
まだ受け入れがこれからというタイミングだったこともあり、「そういう場所に行ってみるのもいいかもしれない」と感じ、今回の西和賀行きを決めました。
夏休みの一週間、こどもたちは自然の中で思い切り遊び、私自身も日常を少し離れてリフレッシュする。そんな時間を家族で過ごせたらと思い、今回の保育園留学が始まりました。
埼玉県の自宅から西和賀までは、自家用車で向かいました。途中、東北の各県に立ち寄りながら、少しずつ目的地へ。
西和賀に到着するまでの道のりも、家族にとっては旅の大切な思い出のひとつになりました。

園に着くと、先生方やお友だちが大きなウェルカムボードを持って、あたたかく出迎えてくださいました。こどもたちは少し緊張していましたが、そんな姿を見ながら私自身も「ここなら大丈夫そう」とほっとしたことを覚えています。
先生方はみなさん明るく優しく接してくださり、こどもたちのことを知ろうと好きなことも丁寧に聞いてくださいました。
娘が大縄好きだと分かると、すぐに大縄を用意してくださったり、息子が緊張していると、大好きな粘土を出してくださったり。一人ひとりの様子を見ながら、その子が安心して楽しめるように関わってくださることが、とても嬉しかったです。
そんな先生方のあたたかい対応のおかげで、こどもたちも少しずつ園の雰囲気に馴染んでいったようでした。
お姉ちゃんはというと、初日から木登りにも挑戦。緊張する様子もありながら、いろいろなことに興味を持って、なんでもやってみようとする姿が頼もしく感じられました。

普段こどもたちが通っているのは、全体で50名ほどの自由保育の園。そんな我が家にとって、せんだん保育所で過ごした時間もとても心地よいものでした。
「自然の中で思い切り身体を動かして遊んでほしい」「地元のこどもたちと友達になれたら素敵だな」と思っていたので、今回の滞在では、まさにそんな時間を過ごすことができました。
室内では、ホールで身体を動かしたり、玩具やぬりえで遊んだり。お部屋には、こどもたちが夏に集めた蝉の抜け殻がたくさん貼られていました。ある日は、園で収穫したミニトマトでトマトジャム作りも。朝に収穫した野菜を給食に使うなど、日々の体験が食育につながっていることも素敵だなと感じました。
外では、自然の中にある遊具で遊んだり、「緑の丘」に駆け上がったり、木登りをしたり。大きくしなる木に登って揺らしたり、枝にぶら下がってジャンプしたりと、普段の生活ではなかなかできない遊びを思い切り楽しんでいました。水遊びでは、色水でジュースを作った日もあったそうです。
娘が特に楽しみにしていたのが、みんなで自然の中の大きなプールで遊んだこと。「大きなプールに行ったのが楽しかった」と話していて、普段の幼稚園ではできない体験を喜んでいました。

最終日にはお別れ会も開いてくださり、最後は一人ひとりとタッチやハグ。上のこどもがお友だちとハグをしている姿も印象的でした。特に仲良くなった年長の女の子との別れを惜しむ姿を見て、短い一週間でも、こども同士のつながりが生まれたことを嬉しく思いました。

帰るときにみんなで「バイバーーーイ!」と挨拶をしていると、ひとりの男の子が娘に「同じ小学校だったらいいね」と伝えに来てくれました。その言葉を聞いて、「これぞ旅行では味わえない体験だな」と、嬉しくなりました。
園からは連絡帳に加えて、毎日こどもの様子を写真とコメントでまとめたプリントもいただきました。写真から日々の様子が伝わってくることも嬉しかったですし、何より先生方がこどもたちをかわいがってくださっていることが伝わり、安心してお願いすることができました。
今回お世話になったのは「Katasumi」でとても快適でした。
ワンフロアで生活のすべてをこなすことができ、シンプルながらとてもきれいで生活しやすい空間。実際に暮らしてみることで、「こういう暮らし方もいいな」と、参考になることもありました。

積み木やパズルなどの玩具、絵本、体温計、絆創膏、虫よけスプレーなどの貸し出しもあり、滞在中によく使わせていただきました。
食事は、お昼は事前に調べていたレストランなどへ外食に行き、夜は地域の方や保育所からお裾わけいただいた野菜などを使って自炊。ピザ作りをしたり、最終日には夫も来てくれたので、家族でバーベキューもしました。

調理も普通にお家のようにできました。シンクは少しコンパクトでしたが、足りないものがあれば貸していただけたので助かりました。
そして、宿の方との交流も、今回の滞在でとても心に残っています。
出発前から丁寧なメールをいただき、周辺の案内やDVDまで送っていただいたので、西和賀での暮らしをイメージしながら準備することができました。滞在中も、少し困ったことがあればすぐに対応していただき、とても心強かったです。
宿の奥様には、滞在中にいろいろな場所へ連れて行っていただいたり、地域の方を紹介していただいたりと、西和賀で暮らすように過ごすきっかけをたくさんつくっていただきました。
こどもたちも、宿の奥様や宿の看板犬、とらちゃん(シベリアンハスキー)に毎朝挨拶していました。
帰宅してからも「とらちゃんは何してるかな?」「とらちゃんに会いたい」と話しているほど。こどもたちにとって、とらちゃんとの出会いも、この滞在でできた大切な思い出になったようです。

今回の滞在で一番心に残ったのは、やはり西和賀の「人」でした。
日中ひとりで過ごす時間には、宿の奥様がいろいろな場所へ案内してくださり、地域の素敵な方々も紹介してくださいました。レストランへ一緒に行ったときには、私たちのことをお店の方に紹介してくださり、そこから自然と地域の方とお話しすることも。どこへ行っても気さくに人とつながっていく奥様の姿を見て、「こういうふうに人とつながれるのって素敵だな」と感じました。
地域の方には、郷土料理を教えていただいたり、観光地の川舟カルデラへ案内していただいたりと、さまざまな形で西和賀の暮らしに触れることができました。

こどもたちと一緒に訪れた牧場も、忘れられない思い出です。登園前に牛の乳搾りや、赤ちゃん牛へのミルクやり、お父さん牛・お母さん牛へのえさやりを、準備から体験させていただきました。赤ちゃん牛に人間の赤ちゃんよりも大きな哺乳瓶でミルクをあげたり、飲み終えた牛にミルクのついた口を私の服で拭かれたり(笑)。牛のうんちが飛んできて家族みんなの服が汚れるというハプニングもありましたが、今では笑って話せる大切な思い出です。

もうひとつ印象に残っているのが、下のこどもと参加したおこわ作りです。体調を崩して保育所をお休みしていたこどもが、少し元気になったタイミングで一緒に連れて行っていただきました。すると、自分から山菜の筋取りをお手伝い。食欲がなかったのに、自分がお手伝いした野菜やおこわを嬉しそうに食べ始めました。その姿を見た地域の方が「自然の物はいいんだね。自分がやっていることに自信が持てたよ」と喜んでくださったことも、心に残っています。
ほかにも、夫がいてくれた月曜日には道の駅 錦秋湖へ行き、こどもたちとは焼地台公園へ。遊具で遊んだり、カフェでひと休みしたりしながら、家族でゆったりと地域を楽しみました。
自然の中で遊び、地域の方と話し、土地のものを食べる。観光だけでは出会えない西和賀の日常に触れながら過ごしたことで、まるでこの町で暮らしているような感覚を味わえた一週間でした。
蕎麦屋:母ちゃんのみせ わが家
宿の奥様に連れて行っていただきました。そこへ向かうまでの道やお店の雰囲気も素敵で、お蕎麦や天ぷらが美味しかったです。
ジンギスカンのお店:ドライブイン湯田
ジンギスカンが苦手だった私も、ぺろりと食べることができました。
カフェ:ネビラキカフェ
テラス席から錦秋湖が目の前に見えるナイスビュー。
カフェ:111coffee
ドリンクが美味しく、宿の息子さんが経営されています。こどもたちは看板犬の虎之介くんに夢中で、宿にも毎朝ご挨拶に来てくれていました。

YUDAミルク株式会社の直営店:みるくぼーやショップ
ソフトクリームシェイク(ヨーグルト)が美味しくて、2回食べに行きました。店内にも「みるくぼーや」がたくさんいて、かわいらしい雰囲気です。
ジェラート屋さん:七色冷菓
ジェラートも、素材の味がいかされていて味わい深く、とても気に入りました。
今回、西和賀で一週間過ごしてみて、「またここに戻ってきたい」と心から思いました。
帰宅してからも思い出すのは、先生方や宿の方をはじめ、西和賀を愛する地域の方々のあたたかい笑顔。宿から見える景色やお庭、ドライブ中に見た何気ない風景、保育所でこどもが木登りをしながらにこにこしていた姿。そして、朝起きると宿の奥様のところへ飛んでいって挨拶をするこどもたちの姿。どれも、観光だけの旅行ではなかなか出会えなかった思い出です。
保育園留学を通して、普段の生活ではなかなか出会えない景色や人々に出会い、旅行ではなかなか味わえない「暮らす」という体験ができました。その土地で生活するからこそ、何気ない景色が心に残ったり、地域の方との会話が生まれたり、こどもたちの新しい一面を見ることができたり。私自身も、普段の生活を前向きな意味で少し見直すきっかけになったように思います。
そして何より、「また会いに行きたい」と思える人たちや、「もう一度行きたい」と思える場所に出会えたことが嬉しかったです。まだまだガイドブックには載っていない西和賀の魅力も知りたいですし、今回出会った方々にも、また会いに行きたいと思っています。
娘は初日から「岩手にまた来たい!!」と言っていました。
自然の中で過ごし、地域の方とつながり、その土地で暮らすように過ごした一週間。こどもたちにとっても、私たち家族にとっても、これから先も思い出したくなる、大切な時間になりました。

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