岐阜県山県市 富波保育園
3歳
1週間
私たちは都内在住の3人家族です。普段は、こども園に通う3歳の娘と一緒に岐阜県山県市の「富波保育園」で保育園留学を体験してきました。

保育園留学はテレビやSNSで見かけ、当初は「こういうものがあるんだ」と思う程度でした。ところが夏休みが近づくにつれ、普段の幼稚園のカリキュラムがなくなり、狭い園庭や酷暑のため限られた室内で過ごす毎日に不安を感じるようになりました。
そんな時に偶然SNSで再び保育園留学の動画を見て、「自然の中でのびのび過ごす夏休み」というイメージが湧き、参加を具体的に検討し始めました。ただ実際に調べ始めたのは7月に入ってからで、人気の園はすでに予約が埋まっていました。交通アクセスやアクティビティ、滞在先の環境を確認しながら候補を絞り込む必要がありました。
また、普段の友達と離れ、全く新しい保育園に1週間通わせることは親のエゴではないかという葛藤もあり、家族で話し合う時間も持ちました。それでも「この経験が子どもの世界を広げるきっかけになる」と思い、最終的に参加を決断しました。

保育園留学先を選ぶ際は「行ったことのない土地」であること、そして地域ならではの自然体験ができることを重視しました。
さらに食事付きで家事の負担を減らし、子どもと過ごす時間を大切にできることが決め手となり、岐阜県山県市の「富波保育園」での体験を決意しました。
また、少人数で広々とした園に加え、日本家屋の趣が感じられる宿で「暮らすように滞在」できる点も魅力でした。
東京からは、在来線と新幹線を乗り継ぎ、岐阜駅からレンタカーで宿泊先へ向かいました。

新しい環境でうまく溶け込めるのか、楽しんでもらえるのか、さらには体調を崩さないか──出発前は心配が尽きませんでした。宿では朝食を準備していただいたので、朝は普段より余裕をもって家族で団らんの時間を過ごせましたが、逆に油断してしまい、登園前は少しバタバタしてしまいました。
それでも子どもは、自分で服を選び、髪型も「編み込みで2つ結びにして」と指定するなど、新しい保育園に行くことにワクワクしている様子でした。当日までも「すみれ組に入るの」「◯ちゃんが入ると5人になるの」など、楽しみにしている言葉がよく聞かれました。
いざ保育園に到着すると一転して緊張の表情に変わりましたが、これまでの園生活があるからか泣き出すことはなく、私たちに手を振り気丈に振る舞っていました。お迎えに行ったときも平然としており、「きちんといい子にしていましたよ」という表情。さらに早速一人のお友達の名前を覚え、帰宅後もその子の名前を繰り返し話してくれる姿に、新しい環境をしっかり楽しみ始めていることを感じました。

園での毎日はとても充実していました。
室内では野菜スタンプ、藍の葉や花を使った染め物、子宝草を植える木の鉢作り、塗り絵や折り紙など、多彩な活動に触れることができました。
園庭ではプールや泥遊び、川遊び、花を使った色水づくり、遊具や虫採りなど、自然の中で心ゆくまで遊べる時間が広がっていました。
先生方からは毎日お迎えの際に口頭で丁寧に様子を伝えていただき、少人数ならではのあたたかくおおらかな雰囲気を感じることができました。
印象に残ったのは泥遊びの様子です。
最初は誰よりも早く砂場に飛び込んだものの、水が入ると慣れない感覚に戸惑い、すぐに別の遊びへと移ってしまいました。
「東京ではできない体験を楽しんで欲しい」という親の思いと、子ども自身の気持ちとの違いに気づき、期待がときに子どもへの負担になり得ることを学んだ瞬間でもありました。
そんな姿を見守った翌日、川遊びでは一転して大いに楽しんだようで、魚やカニを見つけたことやライフジャケットの着方まで得意げに話してくれ、子どもなりに挑戦し、楽しみ方を見つけているのだと実感できました。


5日間という短い期間でしたが、子どもにとっては新しい発見や出会いに満ちた時間でした。最終日には友達の名前を呼んで「バイバイ」と手を振ったり、「迎えに来るのが早かった、もっと遊びたかった」と話したりと、交流を心から楽しんでいた様子が伝わってきました。
先生が用意してくださった思い出シートは、帰宅後も大切な宝物となり、何度も眺めてはその時の出来事を語る姿に、この体験が子どもの心に強く刻まれていることを感じます。

滞在先は趣ある日本家屋「山県古民家ちごのもり」。オーナーの田中さんご夫妻に温かく迎えていただき、快適に過ごせただけでなく、「暮らしを体験する」意義深い時間となりました。
私たち自身は郊外での生活に馴染みがなく、ふるさとと呼べる場所もないのですが、ここでの滞在を通じて「田舎のおばあちゃんの家」があったらこんな感じなのかもしれない、と実感できました。
そして何より娘にとっては初めての経験ばかりで、私たちが子どもの頃よりも今では触れる機会が少なくなった体験をたくさんさせていただけたことも大きな収穫でした。
滞在中の食事に関しては、田中さんの敷地内で採れたものや、ご近所からのお裾分け、山県市やその近郊で収穫された食材が中心。鮎の一夜干しや流し素麺、鹿肉のハンバーグなど、普段なかなか口にできない料理が並び、子どもも大喜びでした。
富を循環させる暮らしを食卓から肌で感じられるのは、とても貴重な体験。まるで本当の「田舎のおばあちゃんの家」に滞在しているような温かさに包まれ、心地よい時間を過ごせました。
加えてWi-Fiも安定しており、オンライン会議も滞りなく行えたため、仕事と両立できたのもありがたかったです。



保育園や宿だけでなく、地域との交流も印象的でした。ランチは外食をしていたので、地元のカフェや温泉を訪れたり、オーナーの案内で鵜飼を体験したり。宿の前で花火をしたことも、子どもにとって忘れられない思い出になったようです。
日常的に川のせせらぎを聞きながら過ごす時間や、地元の方と挨拶を交わす暮らしは、東京では味わえない豊かさを感じさせてくれました。
今回、美味しいお店にもたくさん出会えたので、末尾に店名をご紹介しますね!


今回の保育園留学は、単に「別の保育園に通う」以上の体験でした。園での学びに加え、宿や地域での暮らしを含めた全体の体験があったからこそ、その価値を強く実感できたのだと思います。
娘も帰宅後も先生や友達の名前を口にし、田中さんを親戚のように慕っていました。私たち家族にとっても「もう一つのふるさと」ができたような体験でした。
これから参加を検討する方には、ぜひ保育園だけでなく、宿や地域の生活も含めて選んでほしいと伝えたいです。
そして、できれば1週間よりも長く滞在して、地域の時間に溶け込む経験をおすすめします。
・地域の特産品が購入できる「山県ばすけっと」
・伝統食材「桑の木豆」を使った桑の木豆五目おこわ、手打ちそばが目玉の「ふれあいバザール」
・自家製蕎麦が食べられる「蕎麦の舎いじら」
・TVでも特集された有名店でジビエ料理が楽しめる「かたつむり」
・地元食材が楽しめる農家レストラン「舟伏の里へ おんせぇよぉ~」
・本格ベトナムコーヒーを味わうことができる「Phin and Bean」
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