「次は冬に行こうね」初日から馴染み、世界を広げた保育園留学の記録  

石川県七尾市 認定こども園ひまわり

4歳

1週間

私たちは神奈川県に住む3人家族です。2025年11月、石川県七尾市で1週間の保育園留学を体験してきました。

参加のきっかけ

保育園留学を知ったのは、友人のSNSがきっかけでした。
それまで「保育園留学」というと移住促進のイメージが強く、自分たちにはあまり縁のないものだと感じていました。しかし調べていく中で、「地方創生」や「第2のふるさと」といった、必ずしも移住をゴールとしない関わり方があることを知り、次第に興味が湧いてきました。

今年はちょうど夫の職場の長期休暇を取得できる制度の対象年で、2週間程度の旅行を計画していました。夫婦それぞれの仕事やこどもの園行事の予定を考えると、10〜11月が最も無理のない時期で、いつか行ってみたいと思っていた北陸地方を候補として検討を進めました。

キッチハイクさんの保育園留学、自治体主催の保育園留学、通常の旅行を比較しながら検討し、勤務先の制度(滞在先でのリモートワークなど)確認をして、およそ1週間ほどで決断しました。

留学先は、自然が豊かで自家用車でアクセスしやすく、のびのび遊んでほしいという思いから、園庭が広く、保育方針にも共感した「幼保連携型認定こども園 ひまわり」さんをチョイス。

神奈川県の自宅を自家用車で出発し、1週間の旅行を経て、石川県で1週間の保育園留学がスタートしました。

保育園のこと

登園初日、息子は朝からニコニコしていて、本当に楽しみにしている様子でした。

担任の先生のお話しによると、初日にもかかわらず自分から在園児さんに話しかけに行ったそうです。人見知りのこどもが多めのクラスと伺いましたが、「今日来たとは思えないくらい馴染んでいましたよ」と教えていただき、思わず胸をなで下ろしました。息子とは留学について期間前に何度となく話をして、不安よりも楽しみな気持ちが優っているようでしたが、そのまま行動に表れていたようでした。

滞在中にちょうどお誕生日のお子さんがいて、お誕生日会に参加させていただきました。お誕生日会は月毎にまとめて等ではなく、一人ひとりの誕生日当日に行っていると伺い、この園がこどもを「集団の一員」ではなく、一人の存在として大切にしていることをあらためて感じました。

室内遊びでは、だるま落としやオセロなど、少人数でじっくり遊べるおもちゃが充実していました。広めの室内ホールもあり、霜が降りて外遊びができない日には、ドッジボールなどで体を動かして過ごしていたようです。

広い園庭や充実した遊具があり、のびのびと外遊びができる環境でしたが、時には園外へお散歩に行って、近所のカフェにいる山羊を見に行ったりすることもあるそうです。敷地内には畑やウサギ小屋もあり、時期によっては収穫体験等もできるとのこと。

ある日の外遊びでは、大きなバッタが園庭にいたようです。お友達が触っているのを見て、息子も手にバッタを乗せてみたと聞き、そのときの写真もいただきました。息子は虫が苦手で近付きもしないので、普段の生活では考えられない姿に、驚きと同時に、こどもの世界が広がっていることを実感しました。

毎日お迎えの際には担任の先生から一日の様子をお話しいただきました。
給食をおかわりし、たっぷりお昼寝をし、先生やお友達と全力で遊んでいたと聞くたびに、「良い経験になっているな」と感じました。

最終日には、同じクラスの園児さんたちがハグをしに来てくれ、写真がたくさん入った修了証もいただきました。

寂しがる様子はなく、「次は冬に来ようかな」と話していたと聞き、この場所がこどもにとって「お別れの場所」ではなく、「また帰ってくる場所」になっていたことを教えられました。

宿のこと

滞在先は、一棟貸しのゲストハウス「neltoko」さんにお世話になりました。
調理器具や調味料だけでなく、こども用の食器やハンガーなども用意されており、余裕のある空間で快適に過ごすことができました。

到着日に必要な食材をまとめて買い出しをし、滞在中も近所のスーパーやコンビニなどを利用しながら、足りないものはその都度調達していました。

食事は、スーパーで見つけた新鮮な海産物やお惣菜を楽しむ日もあれば、外食に出かける日もありました。美味しそうなお店がたくさんあり、想定よりも外食の比率が多くなってしまいましたが、自炊も組み合わせることで健康的に過ごすことができました。

「ごはん処 一歩」さんはそのボリュームに圧倒され、「松の葉」さんでは家庭料理と店員さんに癒されてほっとすることができました。また、街中に点在するお寿司屋さんは、さすが「すし王国七尾」といった美味しさで感動しました。

自炊も外食もほどよく取り入れながら、地域ならではの味を楽しめた食の時間は、滞在の楽しみのひとつになりました。

リビングの一角には、作業用のデスクもあり、リモートワークも快適に行うことができました。

地域のこと

七尾市は、海と山がすぐそばにあり、自然をとても身近に感じられる魅力的な地域でした。遊覧船でカモメに餌やりをしたり、園長先生おすすめの七尾城跡を訪れて登山と景色を楽しんだりと、貴重な体験が手軽にでき、「来てよかった」と感じる場面が何度もありました。

また、リモートワークの合間には、金沢まで行ってひがし茶屋街周辺を散策したり、庄川峡で遊覧船に乗って紅葉を眺めたりと、久しぶりに夫婦二人でゆっくりとした時間を過ごすこともできました。宿の方に教えていただき、到着翌日に一本杉通り商店街で開催されていた「秋の大市(うますぎ一本杉)」に参加できたのも、滞在型ならではの嬉しい偶然でした。

さらに、和倉温泉のお祭り会館では、青柏祭の曳山行事をはじめとする四大祭りの存在を知り、「次はお祭りの時期に訪れてみたい」という新たな楽しみも生まれました。

一方で、復興途中の工事現場や休業中のお店を目にすることもあり、震災の爪痕を感じる場面もありました。観光だけでは見えてこない地域の今に触れられたことも、今回の滞在だからこそ得られた、忘れがたい経験だったと思います。

最後に

未就学児を連れた旅行は、どの地域を訪れても、動物園や水族館、遊園地…といった、同じような行先になってしまうことが以前から気になっていました。

保育園留学では、こどもは地方ならではの体験を重ね、親は仕事や観光の時間を持つことができ、家族それぞれが自分の役割と時間を大切にしながら、同じ地域で“暮らすように”過ごせたのがとても印象的でした。これは、これまでの旅行では得られなかった価値だと感じています。

息子も、ふとした瞬間に「ひまわり幼稚園って覚えてる?次は冬に行こうね」と口にします。それだけ、この経験が心に残っているのだと思います。

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