2回目の保育園留学への参加。浦河町の環境ならではの「自由さ」が成長の糧になりました。

北海道 浦河町 浦河フレンド森のようちえん

2歳・4歳

1週間

2023年10月、私(母)、夫、息子(4才)、娘(2才)の親子4人で、北海道浦河町へ2週間の保育園留学に行ってきました。実は、保育園留学に参加するのはこれが2回目。初回の厚沢部町への留学体験がとても素晴らしく、「上の子が小学生になる前に、もう一度保育園留学に行きたいね」と夫とも話していたんです。

留学先に選んだのは「浦河フレンド森のようちえん」。Webサイトに掲載されている園舎の写真を見て、他にはないようなデザインにとてもワクワクしました。それに森のようちえんということもあり、ここでは自然とふれあうことをすごく大事にされています。北海道ならではの大自然で普段できない体験ができるのではと思い、ここに留学することを決めました。

私たちはもともと北海道が大好きで、キャンピングカーで旅行をするほど。だけど同じ北海道でも場所によって景色や雰囲気が全然違うので、訪れたことのない浦河町へ行くのを楽しみにしていました。

保育園のこと

登園初日、息子ははじめてのお友だちに興味を示していましたが、恥ずかしさからか緊張している様子が伝わってきました。娘は最初は泣いてしまいましたが、一度園で遊び始めると、ケロッとして楽しんでいたようです。

園舎の中は仕切りがなく、大きな1つの空間になっています。唯一ドアで仕切ってあるのは0歳児さんの部屋だけで、1〜2歳児さんには仕切りの柵がありました。息子と娘が一緒に遊ぶことも多かったようです。

園庭は原っぱになっていて、園舎の裏には大きな森が広がっています。子どもたちは、毎日体をたくさん使って遊んでいましたね。

森の中ではドングリを拾ったり、木と木に掛けた網で遊んだり、じゃがいもを食べた日もありました。焚き火をして、お鍋のお湯を沸かしてアルミホイルに包んだじゃがいもを湯がき、ホクホクのじゃがいもを食べたそうです。息子は、最初はじゃがいも食べないと言っていたのですが、一口食べてみると表情が一変!すごくおいしかったみたいで、たくさん食べたそうです。息子はその日の出来事をあまり話すことはないのですが、じゃがいもを食べたことは本当に楽しかったようで、「じゃがいも食べたよ。おいしかった!」とお話ししてくれました。

娘を含め未満児さんたちはまだ小さいので森の中へのお散歩ではなく、森の入り口で遊んだり、室内遊びをしていました。娘は森の入り口で長靴を履いて葉っぱを拾ったり、室内でブロック遊びをして楽しんでいたそうです。

滞在中にハロウィンのイベントもありました。100円ショップで仮装グッズを買って、子どもたちもハロウィンに参加。仮装した先生たちの出すクイズに答えて宝箱に入ってるおやつチケットを探したり、ハロウィンのお化けを形どった魚釣りをして楽しみました。

給食にも力を入れていて、食材には地域の野菜や浦河町で獲れたお魚を使っています。野菜があまり好きではない息子も、食べることが大好きな娘も、給食の時はイキイキした顔で食べていたそうです。

全体を通して、自由に選んだり、自分で考えたりと、自主性をとても大事にされていました。前回参加した厚沢部町の「認定こども園はぜる」は海外のものや体の発達を考えられたものなど珍しくて面白そうな遊具がたくさんあり、子どもたちはそれを楽しんでいました。だけど、ここ「浦河フレンド森のようちえん」には遊具はありません。自然の中での活動を大事にしていて、自然や空間を自由に使って遊びを考えることを促してくれます。ほかにも、給食はクラスに関係なく好きな場所に座って食べたりと、子どもたちにとっては、その自由さに「何をしたらいいのかわからない」と戸惑いを感じることもあったようですが、新しい環境での学びは多かったように感じます。

先生方はいつも気にかけてくださり、子どもたちと積極的に遊んでくださっていました。若い先生が多く、先生になって1年目という方もいらっしゃいましたが、しっかりしてイキイキと働く姿が印象的でしたね。担任が1人でクラスの責任を負うのではなく、区切りをなくしオープンにすることでみんなで助け合いができているからか、先生方からもおおらかさを感じました。

留学期間も半分をすぎるとお友だちもできて、一緒に好きなテレビやキャラクターの話をして楽しそうにしていました。途中、楽しくないなんて言うこともあった息子ですが、最終日には「今日で最後かぁ。さみしい」と言っていて。楽しい時間を過ごしたんだなと感じました。


宿のこと

宿泊は戸建て移住体験住宅です。綺麗に清掃してあり、古い家だからといった不快感はありませんでした。トイレやお風呂といった水回りが綺麗にリフォームされていたのは嬉しいポイントでしたね。

平日はリモートワークで仕事をしていました。会議があると周りに人がいない方が話しやすいので、主に宿で仕事をしていましたね。Wi-Fiも通っていて、不便に感じることはありませんでした。ただ和室だったので、イスに座ることに慣れている私は少し腰が痛くなってしまいました。

近くにはレストランもいくつかあり、毎日ランチを食べに行きました。馬が有名なまちなので、馬主さんが来ることもあるからか、おしゃれなお店も多かったですね。

夜は自炊していました。週末に浦河町堺町にある比較的大きなコープで買い出しをして、平日は園の近くにあるコープを利用しました。徒歩圏内にコンビニもありましたので、ちょっと牛乳など買いたいという時には便利でしたね。

暮らしのこと

休日には、浦河町乗馬公園で乗馬体験をしました。乗馬体験ははじめて!子どもたちはポニーに、私たちおとなはサラブレッドに乗せてもらうことに。馬が少し小走りになると、体がポンポンと浮いて驚きました。馬のお腹に触れて、毛並みの良さや体温の温かさ、筋肉を感じることができてとても面白い経験でした。息子は最初こそ怖がっていましたがすぐに慣れて、馬から降りたくないというほど楽しかったようです。娘も嫌がることもなく、楽しんでいましたね。

襟裳岬へも行きました。ここは一年中風速10mを超えるような風が吹いています。断崖絶壁の地形や、日常では感じることのない強風。はじめての景色に感動しました。

襟裳岬へ向かう途中、様似町のアポイ岳ジオパークに立ち寄りました。広場にはアスレチックがあって、子どもたちは喜んで遊んでいましたね。ところどころには鹿のフンも落ちていて、本当にまちが自然と共存しているんだなと感じました。

いつもの生活では体験することのない自由さが成長の糧に

ここの園が大事にしている“自由さ”を体験できたことはとても貴重だし、よかったと思います。おもちゃや遊具がない環境で遊ぶことに慣れていない子どもたちにとっては、1週間という期間で自由に遊びを考え出すことは難しかったかもしれません。それに新しい友だちをつくること、やりたいことを先生に伝えること、どれもちょっと頑張らないといけないことでしょう。その大変だと思うことも含めて学びになっただろうなと感じています。

浦河町に来た初日の夕方、空を見上げるととても綺麗なピンク色に染まっていました。「きっと夕陽はすごく綺麗なんだろうな」と思った私は、お迎えの前に少し遠回りをして海岸沿いの道を通って夕陽を見に行ってみたんです。その景色が本当に素晴らしくて。天気予報を見て、天気の良い日には夕陽が海に沈む様子を眺めに行きました。浦河町の人たちにとっては当たり前の風景かもしれませんが、私にとって本当に感動する景色でした。

保育園の送り迎えのついでに山道や海沿いの道をドライブして見る景色は、とても素晴らしいものでした。田んぼや畑だけではなく、こんなにも牧場が広がる景色を見れる場所は日本でもそうそうないのではないでしょうか。

このまちではどこに行っても馬のカレンダーが貼ってあったり、競馬の話をしていたり、至るところで馬についての話題が目に入ってきます。まちに馬が浸透しているんだなと感じました。私たちも乗馬をしたり、併設されているオルタナティブスクールで飼っている馬を見に行って触ったりと、馬とのふれあいは楽しめましたね。浦河町は、動物が好きなご家族はきっと楽しめると思います。

私たちは北海道を何度か訪れていますが、同じ北海道でも場所によって景色も人柄も全然違います。前回の留学先と今回の留学先での体験も全然違いますし、やっぱり住んでみないとわからないなと改めて実感しました。その違いを知ることもいろんな地域に行くことの楽しさ。大好きな北海道も、日本中の他の地域も、もっといろんなところに行ってみたいなという興味に変わってきています。

取材・執筆 田中亜由美

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